ホスピタリティー

「コミュニケーション」について3回目の投稿ですね。
前回の話では「コミュニケーション」を

情報伝達の手段

と定義して考えてみましたが、これでは前提を満たしているものの、
あまりにも味気ないという結論に至りました。
前回の例を引用すると

<例1>
A「鼻水出る。ティッシュどこ」
B「僕の目の前の机の上だよ」

という会話で、確かに受け答え自体は成立しているものの、
何かが不足している気がします。
そして、この会話が物足りない原因として、
「発話者(Aくん)の意図」への配慮が足りないのではないか、
という仮説をたてました。
では、こちらの例ではどうでしょうか。

<例2>
A「鼻水出る。ティッシュどこ」
B「はい(ポケットからティッシュを手渡しする)」

こちらの方が断然、
コミュニケーションが成立しているように思えます。
この違いは何か。

これは「ホスピタリティ(思いやりの心)」
の一言につきると思います。
<例1>と<例2>を比べるとAくんの目的とする意図を理解して、
Aくんの目的を満たしています。
要するに、Bくんは「行間」を読んでいるわけです。
最近の言葉でいうと、空気を適切に読んでいることになります。
<例1>よりも<例2>の方が、
状況とAくんに対する理解をする努力を果たしているわけです。

こう考えると、コミュニケーションとは

相互理解する手段

として考えられそうです。
前回の例と比較して明らかに
「ホスピタリティ」への意識が向上しています。
「気が利く」「気がつく」そして「空気が読める」といわれる人は、
実はコミュニケーションの前提がこのレベルに達しているわけです。
そして、大人が日頃からこういう意識を持って接していれば、
自然とお子様には早い段階でこういったコミュニケーションを
取れる様になっていきます。

そして、この立場から更に「ホスピタリティ」を付加していくと、
ある化学反応が生まれるようにます。
次回は、コミュニケーションの神髄とも言える、
そのような素敵な化学反応についてご紹介したいと思います。

それでは、今日も良い1日を!

 

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