口を開ける女の子

こんにちは。

虫歯や事故などで、
お子さんの歯を抜かざるを得ない場合に
なることがあります。
そんな時にはどうしたらよいでしょうか。

大人の歯がどうせ生えてくるから放置しておいても
平気じゃないの?

いえいえ、そんなことはありません。
お子さんのお口の中の乳歯は、
顎骨の成長発育に大きく関与しています。
予定よりも早く抜けることによって
様々な不都合が生じてしまいます。

今回は乳歯が生え変わり時期よりも
早く抜けてしまった場合の起こりうる
悪い話と対処法のお話です。

乳歯の生え変わりの時期については
下記を参照してください。
『歯の生える時期と順番【乳歯編】』

【そもそもなぜ乳歯は抜けるの?】

乳歯も永久歯も大きさの差はあれど、ほぼ同じ形をしています。
しかし抜けたお子さんの歯は王冠のような平たい形をしていますね。

これは、永久歯が成長して骨の外に近づくにつれ、
乳歯の歯根(骨に植わっている根っこの部分)を溶かすからです。
歯根を溶かしながら成長して口腔内に向かって生えるので、
抜けた後には乳歯のすぐ下に永久歯があるのです。

【乳歯が交換時期より早く抜けるとどうなるの?】

乳歯は、上下左右対照的にA〜Eの5本ずつ、合計20本あります。
さらにその後方に6番目の歯として
永久歯の第一大臼歯が生えて来ます。
さらにその後方に7番目の第二大臼歯、
8番目の第三大臼歯(親知らず)があります。
この永久歯群は生える際に歯を全体的に
手前の方向へ押して行きます。
そのため、早く乳歯が抜けてしまうと、
後から生えてくる交換予定の歯が生える隙間が
なくなってしまうのです。

永久歯は乳歯の根っこだけを選択的に溶かすのではなく、
生えるのに邪魔をしている上にある根っこを溶かすのです。
要するに、永久歯がこれから生える予定の場所に
他の永久歯があれば、その歯の根っこ溶かしてしまいます。

また、歯と骨の境目にある歯根膜という靭帯には
三叉神経という大きな脳神経が直結しています。
そのため、噛む刺激は脳の成長発育に
とても大きい役割があります。
歯を失うと歯根膜への刺激が減るため、
脳への刺激も減衰してしまします。

また、歯根膜の刺激は胃や腸の働きを促進させます。
そのため、本来は噛めば噛むほど消化と吸収が促されるのです。

このように、歯を失うと全身の成長発育にも
影響が及ぶわけです。

歯を失ってしまった場合、
歯根膜を復活させることはできませんが、
歯のスペースを保つことは可能です。
これを保隙といいます。

保隙には部位や本数に応じて様々な方法があります。

hogeki

将来的な歯並びに関することなので、小児歯科の先生のみならず、
矯正の専門の歯科医師に相談をしてください。

それではみなさん、今日もよい食事を!

 

 

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