ビンタされる男性

学校の先生の
「相手の言い分も聞かず、事実誤認に基づき独善的な判断を下す」
ようなやり方に、強い違和感を覚えていました。

小学校5年生頃、私達A組の男子は担任のK先生のことを、
その風貌から「タヌキ」と呼んでいました。
ただ、それは親しみを込めたニュアンスで、
担任との関係も良好であったと感じています。

ある家庭科の時間、家庭科専門の女性教諭が授業をしていました。その日は、「家庭のゴミを調べる」という内容で、
家の各場所や衣服に付着するゴミについて勉強していました。
先生は職員室で他の男性教諭から借りた背広を教室に持ってきて、
現物を調べさせていました。

ポケットの中を調べながら、男子同士で
「この背広、タヌキの物か?」「多分そうだそうだ」
と根拠も無しに(笑)、
K先生の背広だと想像しながら作業をしていたのです。

その日の帰りの会の時、K先生が
「君達、教頭先生のことをタヌキなどと呼んだりしたか?」
と聞いてきました。
みんなはきょとんとした顔で「何のこと?」という反応。
何と、家庭科教諭が職員室に帰り、K先生に
「A組の児童が教頭先生のことをタヌキと呼んでいる、けしからん」
と訴えたのだそうです。

私達は
「いや、教頭先生のことをタヌキと呼んだのでは無い、
そもそも背広が誰の物かという説明は無かったし、
私達が勝手にK先生の物だと思い込んでタヌキのじゃないか?
と言ったのだ。」
という主旨の説明をしたと記憶しています。
K先生はそれで了解してくれました(自分がタヌキと呼ばれている
ことも気にしていなかったと思います)。

しかしながら・・・。
私が違和感を覚えるのは家庭科教諭。
「けしからん」と思うのであれば、なぜその場で
「タヌキとは誰のことだ?」と問わなかったのでしょうか。
児童の会話に聞き耳を立て
「事実誤認に基づいて独善的に判断し、
問題解決をK先生に丸投げする姿勢」は小学生から見ても
おかしいと感じました。
とことん児童と話をすべきだったと思います。
(つづく)

9つの誤解:間違いだらけの“子育て”