勉強するメリットについて、
「可能性の温存」という観点で考えてみました。
「将来文系に進むから数学は必要ない」という
「子どもの言い分」を聞くことがありますが、
子どもの時に未来全体を見通せるものではありませんし、
思わぬ方向に進むことになるのが人生です。
だから「文系に進むから」という前提が怪しいし、
結論部分の「数学は必要ない」に結びつくかどうかもわかりません。
毎年、文系から理系、理系から文系に変更する受験生を見かけます。
文系に進む予定だったのがある時、
何かしらの邂逅(かいこう)により「医者になろう!」
「エンジニアになろう!」と一念発起したりするのが
人生というものです。
また、仮に高校まで順調に文系人生を歩み、
大学まで行こうと考えた時、
親御さんから「経済的に私立大は無理だぞ」
と条件を付けられたとします。
ならば・・・と国立大学について調べて
第1段階のショックを受けるのです。
国公立大学は大学入試センター試験という
1次試験で文系でも数学を課すのが一般的だからです。
また、東北のトップ大学である
東北大学の文系学部を志望した高校生が
入試科目を見て第2段階のショックを受けることになります。
東北大学は1次試験より難しい2次試験において、
文系学部でさえ「数学」を課すからです。
他の文系科目では十分に東北大学合格レベルの学力なのに
「数学」ができなくて涙を飲んだ受験生を
どれだけ見てきたことでしょうか・・・。
できれば、そんな受験生に小学生、中学生の時にお会いして
「将来文系に進むにしても算数・数学は必要だよ」
とアドバイスしてあげたかったと思います。
早々に自分の人生を「文系・理系」などに規定し、
「いらない」教科を切り捨て、最短ルートで
ゴールを目指そうとすると往々にして失敗してしまうものです。
人生の前半は広く浅く勉強し、
自分の人生の方向が定まるのにしたがって
深く掘り下げるという勉強の仕方が人生の可能性を広げ、
選択肢を温存することになるのではないでしょうか。
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