こんにちは。
今回は歯肉の病気「歯周病」の、
さらに女性にのみ起こりうる
リスクファクターについてのお話です。
そもそも「歯周病」とはなんでしょうか。
歯周病は「歯肉炎」と「歯周炎」に分けられます。
歯と歯肉の間には歯肉溝(歯周ポケット)
と呼ばれる溝が存在します。
健康な状態でも歯肉溝は1〜2mm存在します。
そこに汚れが溜まると歯肉が腫れて出血します。
その状態が歯肉炎です。
歯肉炎は歯科医院で歯肉溝内の汚れを
除去することで回復します。
歯肉炎の状態が進行すると、
歯を支えている骨である歯槽骨が
汚れから逃げようとして歯の根っこの先端の方向へ
下がっていきます。
ようするに、歯を支えている骨が痩せていきます。
それが歯周炎という状態です。
歯周病は虫歯と違って
堪え難い痛みが生じることはないので、
知らないうちに進行してしまいます。
一度下がってしまった歯肉は回復しないので、
骨を痩せさせないように
定期的に歯肉溝内を歯科医院で掃除して、
清潔な状態を保たないといけません。
健康な人でも2〜3ヶ月に1度は歯科医院で
クリーニングをしてもらうことが重要です。
ここまでの話を踏まえて、
今日の本題へと入って行きたいと思います。
女性には特に口の中が荒れやすい時期が3回来ます。
それは「思春期」と「妊娠・出産期」と「更年期」です。
この時期はホルモンバランスが崩れ、
歯肉の血流量が増加します。
そのため、汚れに刺激に対する反応が過敏になり
炎症が生じやすくなります。
また、口腔内への関心やケアに割く時間が減るので、
虫歯や口内炎も増えやすい時期です。
【思春期に気をつけること】
中学生〜高校生の時期は食生活が乱れ、
放課後や部活で甘いジュースやスポーツドリンク、
お菓子などを容易に、かつ多量に摂取しやすい時期です。
甘いものは言うまでもなく虫歯のリスクファクターですし、
歯磨きがおろそかになりがちなので歯ぐきも腫れて来ます。
歯周病は口臭の原因になりますので、
多感な時期にとても気になるものです。
ご家庭での食生活や歯磨き習慣にも
気をつけてケアしてあげてください。
【妊娠・出産期に気をつけること】
妊娠期に気をつけてもらいたいのが「つわり」です。
つわりを繰り返すことで口の中が酸性になり、
虫歯や歯周病などが増悪しやすいです。
妊娠4〜8ヶ月の安定期に歯科治療は可能です。
悪くなる前にケアをして綺麗なお口で
お子さんをお迎えしてください。
【更年期に気をつけること】
更年期障害や骨粗鬆症の薬には骨代謝にかかわる
ホルモンのエストロゲンが用いられます。
このエストロゲンは歯肉を腫らしたり
炎症の進行を早くすると言われています。
ただし、これらは歯周病の進行を早くするだけで
歯周病を引き起こすわけではありません。
歯周病の原因はあくまでも歯肉周囲の汚れなのです。
ご自身で口の中をケアできない時期だからこそ、
歯科医院でプロフィッショナルなケアを
してもらうことが大切なのです。
それではみなさん、今日もよい食事を!
カテゴリーや各種特集ページからお越しの方は、ブラウザの「戻る」ボタンでお戻りください。