バスケをする男性

人は実に様々な人やモノから複合的に影響を受けて
変化、成長、人格形成を成し遂げますから、
親や教師の教育上の想定がどれだけそれに寄与するかなど
予想もつかないことでしょう。

人は一体どんなものから影響を受けるものでしょうか?

自分のことを考えてみました。

まずは家族。両親、
兄など本人から教わったことだけではなく、
「父が兄を叱った場面を見た」などという経験も大きな影響です。

幼稚園。
私はキリスト幼稚園に通ったのですが、
私の発想の根底にキリスト教があるかも知れません。

読書。
小学校の頃は寝る間も惜しんで本を読みました。
ヴェルヌを始めとするSF、小説には「冒険心や勇気」、
ホームズには「粘り強く謎を解くことの面白さ」
などを教わりました。
父が読んでくれた『野口英世』『路傍の石』などは
「努力」という文字を私の心に刻みました。
小学校の教科書も馬鹿にできません。
「小さい白いにわとり」「赤いスポーツカー」
「きかん車やえもん」「ごんぎつね」「ゼッケン67」「最後の授業」
など大切な「哲学」が盛りだくさんでした。

スポーツ。
私の場合は相撲、野球、バスケットなどですが、
それを通じて身につけたのは体力、気力だけではありません。
勝負の駆け引き、勝利の喜びと敗北の悔しさ、
チームプレーの重要性など実に多いですよね。

友達との人間関係。
仲良く遊んだ時だけでなく、喧嘩やいじめの時でさえ、
そこから学ぶことはたくさんありました。

さらには、病気やケガとの闘い、地域の人々とのふれ合い、
ペットとの付き合いなどなどまだまだありますが、
結局、膨大なものの影響を受けて人は成長していきます。

そう考えると、教室の中で教師が意図した教育効果など
「人格という大きなジグソーパズル」
のほんの1ピースに過ぎないことは想像に難くありません。
もし、親や教師が
「このように指導したから想定通りこう変化する」
などと考えたとしたらそれは「傲慢」でしかありません。
(続く)

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