泣く子ども

子どもというものは目に入れても痛くないほどかわいいですね。
でも、悪いことをしたら叱らねばなりません。
子どものためと、分かっていてもこれは辛いことです。

私は「とても危険な行為をした場合」
「人の道にはずれた行為をした場合」はナマハゲ(*註)
になろうと考えていました。
泣いて恐がっても厳しく叱る覚悟でした。
例えば「車の通る道への飛び出し」などは前者です。
これは「頭で考えてやめる」では間に合いませんから、
条件反射的に制止させるため「恐怖」を身体に
覚えさせようとしたのです。

ただし、間違った行為に対する反省の言葉を口にした後は、
ギューッと抱きしめて
「お父さんは子どものことを愛しているから
敢えてナマハゲになっているのだ」
と印象付けることも忘れないようにせねばなりません。
「お父さんは恐い」だけでは子どもも辛いでしょうし、
何よりも私が辛いからです(笑)

あれは長女のRちゃんが小学校1年生の時だったでしょうか。
庭先で同級生の男の子と話しているのが聞こえてきました。

男の子 :「Rちゃんのお父さんって、優しそうだよね~。」
Rちゃん:「何言ってるの、怒ると「死ぬほど」恐いよ!」
男の子 :「へえ~そうなんだ、見えな~い。」

その会話をそしらぬ顔で聞いていた私は、
「うまくいっているぞ」と思う反面、
「父親は辛いなあ~」という複雑な心境でした。
なお、Rちゃん本人はこのやり取りを全く覚えていないそうです(笑)

(*註)ナマハゲ
秋田県の民俗行事で、大晦日に鬼の面をつけ、
出刃包丁を持った「ナマハゲ」と称する怪物が家々を回り
「悪い子はいねが~」「泣く子はいねが~」
と言って暴れまくります。
大人にとっては「行事」ですが、
秋田県の子どもにとっては恐ろしい「事件」です。
私は秋田県人ですが、あれはシャレになりません。
本当に恐ろしいです。
恐怖を経験した子どもは「悪いことをするとナマハゲが来るよ!」
と言われると襟を正さざるを得ないのです。
教育効果抜群です。

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