理科の話を進める上で「論理」の話がでてきました。
今回は論理について少しお話したいと思います。
最近では「ロジカルシンキング(論理的思考)」
なんてのもよく聞きますね。
では、「論理」とはそもそも何かから見ていきましょう。
論理とは
『自分の意見を筋道立てて相手に説明する時に利用される方法
(またはその筋道自体)』
を表します。
簡単に言うと、他人に伝える際に
「これなら(当然)次はこうだよね」
「確かに(納得)」
という分かりやすいストーリーのことです。
さて、ここで問題となるのが上述の(当然)という部分です。
実は、同じ文化圏で暮らしていても、同じクラスで過ごしていても、
同じ家で暮らしていても個人的な常識が同じとは限らないんですね。
そこで、人が何かを説明するとき、
相手に筋道立てて説明しなければならないので
下記の様な材料を使います。
(1)主張(クレーム)
(2)客観的な事実(データ)
(3)事実が確からしい理由付け(ワラント)
(1)は意見ですね。
これがないと伝える内容がないので論証する必要がない。
(2)は意見が「なぜ正しいのか」を説明する要素。
でもこれだけでは説明しきれないんです。
そこでワラントの出番です。
(3)はデータと意見がなぜ正しいのかを理由づける要素です。
(3)がいかに『確からしいか』で主張の納得度が変化します。
ちょっと例を使って見ていきましょう。
A:
「ルフィは次の敵も倒すだろうね」(2)
「なんで分かるの?」
「主役だからさ」(2)
「???」
「北斗の拳、ドラゴンボール、ジョジョ、
挙げたらキリが無いけどジャンプの漫画で
主役が負けた例があったかい?」(3)
今までのジャンプ漫画で主役は負けたことがない
(一時的な負けはのぞく)
⇒ ルフィは主役 ⇒ ルフィは次も負けない
この様に、筋道立った展開が論理です。
そして、実はこの中で一番重要なのが(3)のワラントなんです。
次の例を見てください。
B:
「ハルウララは次こそ勝つさ」(1)
「なんで?」
「ここまで全敗してるからね」(2)
「???」
「流石にこれ以上負けないでしょ?」(3)
ハルウララは以前、高知競馬で活躍(?)した競走馬。
113戦0勝。
あまりの弱さに人気が爆発。
あまりの人気に彼女の出走レースのみで、
高知競馬の1日の売り上げ平均を上回ったことも。
でもやっぱり負けてしまった。
(1)と(2)と(3)の筋道が立ってないですね。
沢山負け過ぎていればそのうち勝つ
⇒ ハルウララは全敗している
⇒ ハルウララは次は勝つ
そもそも、たくさん負ければ勝つという根拠が無いわけです。
ワラントがワラントとして成立していない以上、
ロジックの全てが崩れてしまいます。
この様にロジックでは、ワラントが重要になります。
ちなみに、この時に下記の様なワラントが用意されていれば
少し納得がいくものになります。
「競馬では、負け続けたら調教師たちが慎重にレースを選ぶんだよ。
例えば○○や△△だって連敗してたけど、急に勝ち始めただろ?
そして、その場合には論証自体が下記の様に変化します。
「ハルウララは次こそ勝つさ」(1)
「なんで?」
「出走するレースの種類を変えたからさ」(2)
「???」
「競馬では、負け続けたら調教師たちが
慎重にレースを選ぶんだよ。
例えば○○や△△だって連敗してたけど、
急に勝ち始めただろ?」(3)
この様に、ワラントに応じて論証自体が変化するんです。
ワラントの重要性はご理解頂けたのではないでしょうか。
ちなみに相手と自分の常識(少なくとも議題について)
が共有できていればワラントは省略できます。
会話の最中にあまり説明が要らない人とそうでない人の差は
共有された情報(意識、常識、考え方)が近しいか否かによって
変化します。
会話がぽんぽん進む人は共有情報が近い人が多いはずです。
この話と理科と、何が関係あるのか?
それは次回に引き継ぎましょう。
長くなったので、今日はこの辺で。
今日も良い1日を!
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