こんにちは。
今回も混合歯列期の矯正治療のお話です。
乳歯列期に隙間なくピシッと並んで生えていた場合には、
多くの場合(というよりもほぼ間違いなく)
生え代わりで前歯の歯並びは悪くなります。
なぜなら、6〜7歳で生え変わる中切歯と側切歯
(前から数えて1、2番目の左右計4本)の幅径の総和は、
乳歯の乳中切歯と乳側切歯の総和よりも大きいからです。
これ重要です!
前歯4本の幅径の総和:
永久歯>乳歯
その大きさの差を補正するために、
乳歯列の歯と歯の間には隙間があるのです。
この隙間を「霊長空隙(れいちょうくうげき)」といいます。
霊長空隙がない、あるいは足りなくて前歯の叢生
(歯並びのガタガタ、乱杭歯:らんぐいば)となってしまいますが、
歯列弓(歯並びのアーチ)を側方に拡大して空隙を作り、
叢生になるのを予防することができます。
これを、「歯列弓の側方拡大」といいます。
そのまんまですね(笑)
側方拡大にもいろいろな分類があり、
その拡大様式には2種類あります。
歯に力を加えてほっぺた側へ傾斜させて
歯並びそのものを横に広げる「緩徐拡大法」と、
骨に力を加えて歯を支えている歯槽骨を広げる「急速拡大法」です。
緩徐拡大をする装置には「固定式装置」と「可撤式装置」
があります。
「固定式装置」とは自分では取り外しができない
着けっぱなしの装置、
「可撤式装置」とは自分で取り外しができる装置のことです。
子どもの患者さんが非協力的でどうしても使ってもらえない、
落ち着きがないからなくしてしまいそうだ、
そんな心配をされている方には固定式の装置がオススメです。
固定式だと本人で外せないので、
協力の度合いによって結果が左右されることがありません。
その代わりに、清掃が難しくなります。
可撤式はその逆で、使ってもらえるならば
とても効果を発揮しますが、その効果は使用時間に比例します。
清掃のしやすさは、自分で口腔外へはずせるため良好です。
急速拡大装置は固定式のものとなります。
どちらが優れているということではないのですが、
時期や症例に合わせて選択することが重要になります。
矯正の専門知識のある先生にご相談ください。
混合歯列期の歯列弓の隙間の作り方は、次回に続きます。
それではみなさん、今日もよい食事を!
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