歯を磨く男の子

こんにちは。
今回も混合歯列期の矯正治療のお話です。

歯列弓(歯並びの弓形のアーチ)
を広げて隙間を作る方法第2弾です。
ただし、今回はさらに「出っ歯」という
大きな問題の解決が主目的にもなる、
一挙両得な装置のご紹介です。

装置の名前は「ヘッドギア」といいます。
この装置は、
「インナーボウ」「アウターボウ」
「ネックパッド(あるいはヘッドキャップ)」「矯正用バンド」
という部分で構成されています。

よくわかりませんね(笑)
細かく解説していきます。

まずは図をご覧ください。

band

歯に、棒を抜き差しできるチューブが付いた
バンドと呼ばれる金属の輪っかを装着します。
これは固定式の器具です。

そこに、「インナーボウ」と「アウターボウ」
の2本の鉄棒で構成されている弓形の棒を差し込みます。

「インナーボウ」は口の中、「アウターボウ」は口の外に来ます。
これを、首や頭に着けた器具から後方へ引っぱります。

それにより、混合歯列期の最後臼歯(一番後ろの歯)
である第一大臼歯を後方へ下げることで、
歯と歯の間に隙間を作ろうという装置です。

hg

さらに、この装置によって骨格的な前方への成長を抑制(
抑えること)ができるので、出っ歯を改善することができます。

上顎の骨格的な成長は6〜10歳に旺盛です。
そのため、この時期に使用するのが
出っ歯改善のための適応時気になります。
成長期が終了した後に、上顎の骨格的な後方移動による改善は
顎を切って下げる手術でしかできなくなりますので、
早めに受診するようにしてください。

矯正治療は歯並びを改善するだけでなく、
骨格的な成長の促進(促すこと)や抑制も視野にいれて行います。

お子さんの歯並びの改善を相談しても、
一般歯科の先生には
「大人の歯が生え揃ってから治療するので様子を見ましょう」
と言われて、前述した早期治療が手遅れになることが多くあります。

歯並びに関しては、
矯正専門の先生にご相談することを強くおすすめいたします。

それではみなさん、今日もよい食事を!

 

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