算数について熱く語っている今日この頃、
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
引き続き算数の意義について触れたいと思います。
各論の3つ目ですね。
一、算数では幾何を様々な形で応用する。
今回はこちら。
何度も申し上げておりますが、
僕は算数の総論として「情報を可視化して本質を捉える力の礎」
と定義付けています。
今回は算数の醍醐味とも言える
「幾何による可視化」についてお話します。
幾何学とは何ぞや。
難しい言葉ですが、簡単に言うと「図形」です。
算数では何か物事を考えるのに殆どなんでも
「図示」して見える形で考えていきます。
例えば
AちゃんはBちゃんの5倍のお金を持っている。
という情報を与えられれば、真っ先にすることは、
「線分図」で表すことです。
Aちゃんの持ち分を表すのに適当に線を引っ張って、
BちゃんをAちゃんの5本分の長さで表すわけです。
こうすることで、AちゃんとBちゃんの5倍という差が
いとも簡単に目で見える様になります。
また
5人の生徒に4枚ずつプリントを配った。
という情報を与えられれば、
小学生は即座に長方形を書いて一辺を5人。
そしてもう一辺を4枚と表します。
何枚配ったのかは、この長方形の面積となるわけですから、
5×4=20という数式がたちまち図形に変換されてしまいます。
実はこの表現方法、
皆さんは社会に出てパンフレットやプレゼンシートの
至る所で見ているはずです。
商品説明に使用する図解の殆どは
小学生の算数で学んだ基礎力で成立しているんですね。
古代ギリシャそしてアラビアの数学も、
数式を図形化して考えるという在り方が一般的でした。
幾何学の分野の有名人では、
幾何学を体系化したエウクレイデス(ユークリッド)や
数学の階の公式を正方形を用いて証明したアル=フワーリズミー
などが挙げられます。
さて。
これは「数学」の分野にも足を踏み入れてしまうのですが、
幾何による可視化を進めていくと、
とても便利な発明がなされていきました。
その最たる例が「グラフ」です。
数値だけでは気づきにくい様々な情報を用途に応じて
分かりやすい形で表現する。
こういった作業を突き止めていくと、
次第に数と図形の垣根が取り払われて、両者が融合されていきます。
ちなみにこれを代数に応用していったのはデカルトさん。
中学で習うx,yを使った座標平面は
彼にちなんで「デカルト平面」なんて呼ばれてますね。
今回も少々、色々なところに話が飛んでしまいましたが、
僕がお伝えしたかったこと。
それは、敢えて違う角度で、
そして違う表現方法で物事を捉えていくと、
この様に気づかなかった法則や本質が見えてくるわけで。
そのようにして「知っている」知識を工夫して問う学問が
算数なんだ、ということです。
こう考えると算数の力は数の世界や図形の世界を飛び越えて、
日常様々なところで働かせることができる
素敵な能力ではないでしょうか。
「情報の可視化」というプロセスを用いて本質を追求する姿勢。
算数を学ぶ全ての人に、隠れた算数の魅力を
少しでもお伝えできたなら幸いです。
それでは今日も、良い1日を!
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