学歴社会が激化していた時代と現在の教育とを比較して、
「肉食系」「草食系」の増減に関する相関性を紐解いています。
今回は、以前の記事にあった
b. 「非行」や「落ちこぼれ」の延長で異性交遊が盛んだった
という点について掘り下げてみましょう。
この頃では「落ちこぼれ」や「非行」が
社会問題となるほど取沙汰されていたようです。
流れとしては
「学歴社会の激化」
⇒「落ちこぼれ」
⇒「非行」
と考えられるのが一般的ですね。
ここで考えてみたいのは、
当時の流行(学歴競争)とは違う道を歩んだら、
女性に対する積極性を持つ機会や要因が
増えるか否かということです。
調べてみたところ興味深いデータが見えてきました。
平成24年度版の犯罪白書(*)によれば、
昭和44年から平成元年まで「虞犯」として処理された
「不純異性交遊」の総計が、平成以降と比較して
圧倒的に多いことがわかりました。
(編集部註:虞犯(ぐはん)少年;
法律上の一定の事由があり,
その性格行動環境などに照らし合わせて、
将来的に犯罪を犯す恐れのある少年少女のこと。)
平成15年以降の減少は著しく顕著で、
平成15年から平成23年までの「総和」が
昭和40年代のいずれか「1ヵ年の総和」に
遠く及ばないんですね。
減少の仕方がすごいので、
これだけでは「教育」と「若者の行動」の相関なのか
「その他社会環境」と「若者の行動」との相関なのか
分かりかねますが、「教育」という視点で捉えると、
確かにゆとり前・後で「虞犯」の総計は減っていますし、
少なくとも「異性交遊」に関しては明らかに減っています。
このデータだけで、当時は肉食系が多かったと
断定するのは早計ですが、結果の母数が多ければ、
その分アプローチも相対的に多い可能性は高いと
類推しても不自然ではないでしょう。
ただし、冒頭の導入で、
当時の流行(学歴競争)とは違う道を歩んだら、
女性に対する積極性を持つ機会や要因が増えるのか、
と切り込み「関係がありそう」という結論をつけましたが、
「女性に対する積極性が強すぎて、
学業よりも交際を優先した可能性も否めない」ので、
社会が肉食系男子を生んだのか、
肉食系男子がそういう社会を作ったのかまでは
まだ調べる必要がありそうです。
今回は、「社会」と「非行」の関係という
ナイーブな内容にも踏み込んだ記事でした。
僕自身、普段目を通すことのない資料にも触れて新鮮でした。
もう少しこの草食男子編が続きます。
お付き合いください。
それでは今日もよい1日を!
(*)
参考URL:
⇒ http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/59/nfm/images/full/h3-1-3-01.jpg
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