サンタの女の子

我が家でも子どもが小さい頃は本人のリクエストを聴き出し、
密かにプレゼントを入手し、
クリスマスイブの夜に部屋に忍ばせるのが恒例行事でした。

「サンタさんへのお礼の手紙とおやつ」が置かれている年、
「プレゼントはここへ」と場所が指定されている年、
人気商品をリクエストされてお店を何軒も回って
やっと入手した年などいろいろあり、
毎年「お互いに」楽しんでいました。

さて、小学5年生だったでしょうか。
いよいよ「その時」が到来しました。
長くサンタさんの存在を信じていたKちゃんも、
「サンタさんなんていない」という周りのお友達の主張に
抗しきれずに切り出したのです。

「お父さん、サンタさんって本当はいないの?
ショックを受けないから本当のことを教えて・・・。」

と質問してきたのです。
少し躊躇しましたが、覚悟を決めました。

「わかった・・・。本当のことを言います。
毎年、プレゼントを準備していたのはお父さんとお母さんです。
だから、白いヒゲで赤い服のサンタさんが
我が家に来ていた訳ではありません。
でもね、子どものことを愛し、
一生懸命子どもの夢をかなえようと奔走する
親の子どもを思う気持ちが「サンタという物語」
を生みだしたとすれば「サンタはいる」とも言えるんだよ。
わかるかなあ・・・。」

「ふ~ん、そうだったんだ。」
と冷静に受け止めた様子のKちゃんでしたが、
「サンタさんなんていない」と素っ気ない言い方だけは
したくなかった私の大変苦しい説明でした。

この文章を書くにあたり、
「あの時どんな気持ちだった?」と聞いてみました。
「サンタはいない」と「あっさり」言われて
相当ショックを受けたそうです。
そして後半の懸命の説明は「覚えていない」そうです。
「あっさりした説明」と受け止めていたこと、
やはりショックを受けていたことに私がショックを受けました(笑)

でもそうやってみんな大人になっていくのですね。
できれば子どもの夢を大切にするような大人に
なって欲しいものです。

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