私は子どもの頃、家の中でさえ「チロ」の姿が見えないと
気が気では無かったのです。
今、大阪という遠い土地で「ミルク」がいなくなったら、
もう二度と会えなくなるでしょう。
だからといって「また買えばいいさ」
とは言いたくありませんでした。
私にとっての「チロ」がそうだったように、
Kちゃんにとっての「ミルク」はもはや単なるモノでは
無いからです。
時間はあまり無いので決断をしました。
「みんなはここで待っててね。お父さんが探しに行ってくる。
とにかく、時間ギリギリまで探してみるから・・・」
そう言い残し、今まで歩いた道を逆に辿りました。
正直なところ、見つかる確信はありませんでした。
持ち去られた可能性もあります。
とにかくギリギリまで探す。
仮に諦めることになっても
やれることは全てやろうと思ったのです。
心の中で
「見つかってくれ~、見つかってくれ~」
と念じながら目を皿のようにして探し回りました。
そうしたら・・・。
何と・・・エスカレーターの手すりの脇に、
誰かが、わかりやすいように置いてくれているではありませんか!
「い、い、いた~!」
脱力して床にへたり込むような感覚でした。
この時は本当に見知らぬ人の親切に感謝しました・・・。
本当に良かった!
無事「ミルク」が復帰して、
その後の旅行も楽しいものになりました。
後日、旅行の時の写真が出来上がってきました。
(当時はフィルムなので、現像後で無いと写真を見られません・・・)
すると・・・。関西空港のショッピングモール内で
撮ったRちゃん(長女)Kちゃん(次女)のツーショット写真が
あったのですが、確かのKちゃんのリュックから
「ミルクが落ちそうになっている姿」
が写っているではありませんか!
その写真を見て家族みんなで大笑いしました。
勿論、見つかったから笑い話になりましたが、
見つからなかったら「ミルク最後の写真」になっていましたね。
私には「ミルク」が、
「いのちのおんじん、かんしゃえいえんに・・・」
と言っているように思えました(笑)
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