2013年4月。
新横浜の某所にて、『子どもの心のコーチング』を執筆された
菅原裕子さんにお会いすることができました。
菅原裕子[すがはらゆうこ]さん
NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事、
有限会社ワイズコミュニケーション代表取締役。
1977年より人材開発のためのコンサルティングや、パフォーマンス
向上のためのコミュニケーション環境づくりのサポートをしている。
1995年には企業の人育てと自分自身の子育てという
2つの「能力開発」の現場での体験をもとに、
子どもが自分らしく生きることを援助したい大人のためのプログラム、
ハートフルコミュニケーションを開発。(公式HPより抜粋)
http://www.heartful-com.org
実は『子どもの心のコーチング』という本こそ、
当メディア、ライシアム・プランタの設立趣意にある「1冊の本」なのです。
そんなライプラの「生みの親」とも言える菅原さんに
子育てのこと、これからのこと、お伺いしました。
- ハートフルコミュニケーションを通じて子どもの自立を
人材開発の技法のひとつ、「コーチング」を用いて
「大人を育む」仕事をしてきた菅原さんが気付いたこと。
それは、「原点に戻ると、結局のところ、人というのは
生まれながらの気質と、親にどのように育てられてきたか、
という2つの要因から成り立っている」ということでした。
そんな想いから、1995年から子育てに関する講演活動を開始。その後、
2003年に『子どもの心のコーチング』を世に出すことになります。
現在まで多くの版を重ね、
子育て関連の本としては異例の60万人以上の方の手に渡っています。
菅原さんの信条は「わかりやすく、シンプルに」。
この初版で書かれた内容は、本質論であり、且つ、
わかりやすくシンプルに書かれているため、
10年経った今でも一度も加筆修正されていません。
取材中、こんな質問をしてみました。
「現時点で『より良い子育てを求めている親たち』に、
菅原さんのお考えや手法を広めていくために、
どんなことをされていますか??」
菅原さんのお答えは、
これからも「ハートフルコーチ(*)」を養成し続けること、でした。
(*)子育てのヒントや、生き方・考え方のコツを教え、サポートする人たちのこと
菅原さんは既に、ハートフルコーチの養成をされています。
対象は日本各地の親たちです。
ハートフルコーチ養成講座の中では、当然ながらコーチングの手法も学びます。
そして、大切なことのひとつとして、「それまでの、ものの見方を変える」
ということにもフォーカスします。
ハートフルコーチとして育った人は、各地で「ハートフルセッション」を主催。
ハートフルセッションでは、「親」が集まり自由に思いを語り合います。
その中で、ファシリテーターとして、
ハートフルコーチが参加者の問題と思っている部分を引き出し、
解決や改善に向けての考えを引き出していきます。
その一環で菅原さんのお考えである
「ハートフルコミュニケーション」の哲学の啓蒙を行うのです。
ハートフルコミュニケーションとは何なのか、改めて触れてみましょう。
菅原さんの著書から言葉を借りると、次のようになります。
子育てとは、「子どもの自立」を目指すためのもの。
「子ども自立するための子育て」を学ぶにあたって、必要な要素は2つ。
ひとつ。
子どもの感じ方や考え方を理解すること。
もうひとつ。
理解したことにそって、子どもが「やりたくなるような」導き方や接し方が
できるようになること。
これらを育むための考え方が「ハートフルコミュニケーション」です。
菅原さんの考えを集約した「ハートフルコミュニケーション」。
それを学び、巣立っていく「ハートフルコーチ」。
全国各地に生まれたハートフルコーチが、
地元のネットワークに新しい風を吹き込む。
その連鎖で、日本の子育ての土壌が醸成されていく。
そのような図式です。
- 子育てに正解は無い
菅原さんご自身も仰っていましたが、子育てに正解はありません。
色々な選択肢があります。
子育てに関する多くの情報を取捨選択する上で、ひとつの参考として、
『子どもの心のコーチング』という本は、ぜひとも全ての「親」に読んで欲しい本です。
まだお読みになったことのない方は、ぜひ一度、
目を通してみてはいかがでしょう。
子どもの心のコーチング―ハートフルコミュニケーション 親にできる66のこと
⇒ http://amzn.to/10mMdQr
- 「障害」という解釈
菅原さんが、これから特に力を入れていきたいこと。
それは、障害を持つ子どもを育てる親へのアプローチ。
医療的な「障害」の解釈と、「親として、どう子どもと接するか」は
全くの別問題です。
子どもはいつか、ひとりで生きていく必要があります。
ネガティブな部分ばかりにフォーカスせず
その子どもが持っている「宝物」を発見してあげること。
障害を「障害」としてみなすのか、その子の「気質」「特徴」と見なすのか。
医療的な解釈での「障害」を持っている子と、持っていない子。
親としての「接し方、やり方」は変わりません。
「必要となる忍耐力」に差があるだけです。
親として「器」を広げ、子どもに接することで、
子どもは自立して生きて行くための力を育みます。
イベント情報
菅原裕子さんの講演会と、ハートフルコーチによる
ハートフルセッションを併せて体験できる、
NPO法人ハートフルコミュニケーション主催の複合プログラムが開催されます。
講演会でハートフルコミュニケーションを学び、
子どもの心を開くコミュニケーション方法を体験したすぐその後に、
ハートフルセッションにて参加者同士で語り合うことで、
学び体験したことを自分の毎日の子育てに活かすための、具体的で、
なおかつ自分らしいステップが見つけることができます。『子どもの心のコーチング』講演会&グループセッション
6/4(火)@神奈川県大和市
6/7(金)@東京都世田谷区詳細と、お申し込みは、下記から。
⇒ http://www.heartful-com.org/html/02_03.html
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