手術室の風景

「学歴社会」は企業の選定基準の選択によって
作られているということは、先のコラムでお話しましたが、
今回は「学歴社会」の歴史についても触れてみましょう。

そもそも「学歴」は、
一部の非常に高度の専門性を有する職業や、
その性質上、ある一定基準の能力を有していないと
社会に問題を及ぼす可能性がある
職種の志願者を選考する手段でした。

これについては比較的容易に納得ができると思います。
話術に長けて集客が上手くとも、
腕のないお医者さんにお腹を割かれては危険ですからね。

しかし、時代が進むにつれ(20世紀以降)、
資本主義のシステムが浸透してくると、
規模を拡大する企業が増えてきます。
企業の規模の拡大は、原則的に生産の増加を伴う為、
必然的に雇用の拡大へとつながります。
ここで、企業は選定の方法として「学歴」を選択したようです。

ここで、なぜ当時の企業は
「学歴」を選考基準として付与したのか。

当時の時代背景を考えると、
学歴社会の出現はある程度納得はいきそうです。

なぜなら、当時の「学歴」は今と違って、
本当に専門的な一部の人にしか付与されない資格だったからです。
その様な人たちはある意味「特別」で、
「学歴」は他者とは異なる能力を持っている証明に
なり得たからです。

もっと言えば、その当時でも「学歴」を有する人は
比較的資本主義経済の中で優位な立場、
つまり経済的に豊かな層が多くいたことも
企業にとってメリットになりえたのかもしれません。

こう考えると、現在の選考理由と
当時の選考理由とは明らかに異なることが分かります。
現在では「学歴」自体が当時ほど稀有な資格では無く、
寧ろ、非常に一般的な資格となっているからです。

それでは、なぜ企業は未だに「学歴」を選考基準として
定めているのでしょうか。

昔の風習を何も考えずにそのまま引き継いでいるだけの
悪習になり下がってしまったのか。
はたまた、明確な理由が存在しているのか。
もしくは、明言できるほどの理由は無いが、
代替案が見つからないので妥協案として採用しているのか。

次回は現代の「学歴社会」について考えてみたいと思います。

それでは今日も良い1日を!

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