怒る教師

中学2年生の始業式でどよめきが起こりました。
私達の社会科担当は、クラス担任で音楽のY先生だと
発表されたからです。
ご立腹のY先生は教室に帰ってからみんなを問い詰めました。

「さっきの始業式での態度は何ですか!」

みんなは(だってさあ~先生の専門は音楽じゃねえかよ~)
とボソボソとつぶやくだけでした。
埒が明かないので、私がみんなの言いたいことを「代弁」しました。

「みんなは音楽のY先生が社会を担当すると聞いて
驚いたのだと思います。」

私の中のシナリオは、先生の
「まあ、みんなの気持ちはわかります。
でも、学校もいろいろと事情があるのね。
私の専門は音楽だけど、社会科も一生懸命頑張るから
みんなも協力してね」
という趣旨の返答を受けて
「私も協調的な態度を取る」というものでした。
ところがY先生は、私の予想に反して…

「何を言っているの?小学校の先生を見なさい、
全教科教えているでしょ!」

と私を「叱りつける」ように言ったのです。
彼女は完全に敵と味方を見誤っていました。
激怒した私は、協調姿勢から
「中学校の専門をなめるなよ、思い知らせてやる」
という対決姿勢に転じたのです。

私はそれから1年間、自宅にあった社会科事典などを調べまくり
「にわか勉強ではわからないような知識」
を探しては質問し続けたのです。
Y先生も辟易していたと思いますが、そんなある日、

「徳川家康は天ぷら食べて死んだってホント?」

という質問を浴びせました。
Y先生は

「ふざけるんじゃないの!」

と金切り声を上げて私を叱りつけましたが、
私は心の中で「やった!」とニンマリしていました。

もし「音楽の先生が社会科を教えることに対する疑問」
を寄せたのが父母ならばY先生の態度も違っていたと思います。
子ども相手だから自分のプライドを優先させ、
あの発言になったのだと思います。

私の方も大人げなかった(そもそもまだ中学生(笑))
とは思いますが、当時の私にできる
精一杯の異議申し立てでした。
(つづく)

9つの誤解:間違いだらけの“子育て”