おとなの歯ぎしり。

こんにちは。

前回は小児期の歯ぎしりの話でしたが、
今回は大人の歯ぎしりについてです。
子供の歯ぎしりは放置しても特に問題がないことが多いですが、
大人の場合は問題となりやすいので注意が必要です。

【歯ぎしりの原因】

まず、そもそも歯ぎしりをしているかどうか、
というところから始めましょう。

「私は歯ぎしりをしているとは思わないし、
人から言われたこともない!」

ご家族などから指摘されたことのある人以外は、
みなさんそう思っているはずです。

歯と骨の間には歯根膜という靭帯かあります。
この歯根膜は三叉神経という大きな神経と繋がっているため、
噛むと脳に刺激を与えます。これは脳のストレス発散になります。
そのため、歯があればほぼ全員寝ている間に
ギュっと噛み締めたりガリガリ歯ぎしりをしています。
歯ぎしりをしている力が強く、
長い時間行っている人の歯に問題が生じるのです。

また、ストレスを感じている、歯並びが悪くて噛み合わせが悪い、
親知らずが生えて顎の動きが変わってきた、
被せものや詰め物の高さがあっていない、
なども歯ぎしりの原因となります。

【歯ぎしりの結果 起こること】

1. くさび状欠損(歯ぐき付近の歯が削れる)
2. 骨隆起(骨が盛り上がる)
3. 歯の破折(歯がかける、割れる、折れる)
4. 歯周病の悪化
5. 筋肉痛
6. 顎関節症

順番に説明して行きます。

1. くさび状欠損
これは、噛む力が歯頸部(歯と根っこの境界)に集中するために
おこる歯の磨耗です。強い歯ブラシ圧で悪化します。

abfraction

2. 骨隆起
強い噛む力によって骨が盛り上がった状態です。
歯が抜けて入れ歯を入れる際に邪魔になるため、
除去することが必要となります。

Exostosis

3. 歯の破折
一過性の瞬間的な強い力によって歯が欠けてしまったり、
歯の根っこが折れてしまうことがあります。
治療済の歯ほど、折れる可能性は高くなります。

fracture

4. 歯周病の悪化
歯が強い力で揺さぶられるため歯周ポケットが深くなり、
結果として歯周病の進行が早くなります。
早い段階で歯がグラグラして抜けるという症状が
出やすくなります。

5. 筋肉痛
噛む時には筋肉を側頭部と顎の筋肉を使います。
また、肩と胸の筋肉も連動しているため、
食いしばる時間が長ければ顎の痛み、側頭部の偏頭痛、
肩こりの原因になります。

muscle

6. 顎関節症
食いしばると顎の関節のクッションである
関節円盤という靭帯を圧迫し続けます。
その結果、顎を開けると音が鳴る、痛い、
開かない等の症状が出てくる可能性があります。

このような場合は歯科医へご相談ください。
スプリントと呼ばれるマウスピースを使用していただくのですが、
柔らかいものと硬いもの、薄いものと厚いものなどなど
症状によって種類が異なります。

それではみなさん、今日もよい食事を!

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