人生の方向性

高校まで、生きることの悩みは尽きませんでしたが、
大学生になったあたりから、少しずつ、
人生の向かうべき方向が見えてきました。

大きかったのは、林竹二という先生の教育哲学を知ったことです。
「人間として正しく生きるために学ぶ」という先生の教えにより、
長い間悩んできた、「勉強と道徳の関係についての疑問」
が解決しました。

勉強するのは「テストで良い点を取るためでも、
良い高校・大学に入るためでも、良い会社に就職するため」
でも無く、正しく生きるための正しい判断をするためなのだ
ということがわかり、
「本当に頭の良い人というのは道徳的にも優れているのだ」
ということに確信を持てるようになりました。

勿論、それを実践するのは
学問の面でも道徳の面でも難しいです。
しかし、だからこそ、生涯、
追究し続ける価値のあることだとも言えます。

また、受験勉強の枠を越えて歴史を学ぶようになったことで、
手本となるような人生をたくさん知ることが
できるようになりました。
子どもの頃も「伝記」の類を読んでいましたが、
歴史として掘り下げて学ぶと、偉人と言われる人も、
失敗もあり、葛藤もあり、
挫折を乗り越えて業績を挙げたのだということが分かり、
よりリアリティを持って偉人を知ることができます。

また、本をたくさん読むようになり、
実際に会ったことは無くても、頭の良い人、
立派な生き方をしている人に
出会うことができるようになりました。

その結果、身近な世界に人生のモデルになるような
大人がいなくても、歴史や本の世界にまで広げて見てみれば、
立派な人はたくさんいることが分かってきたのです。

そして、仮に身近な狭い世界の中に
道徳的に生きている人がいない(あるいは少ない)場合でも、
直接会ったことも無い人々と「連帯」しながら、
正しい方向に向かうべきだということが分かったように思います。

勿論、その後の人生も、迷い、葛藤、
挫折のオンパレードであることに変わりませんでしたが・・・。

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