思い違いをしていた、あの日。

「分からない」などの感情を
素直に表現する生徒を見ていて、
「自分の授業は大丈夫だろうか?」
と不安になる一方で、
すでに学習塾講師のアルバイトで
「教える」という経験を積んでいた私は
「何とかなるだろう」という気持ちも持っていました。

授業の構成を考えたり、
OHPシート・まとめプリントを作成したりする時、
いつもの学習塾での授業をイメージして進めていました。

前日は相当時間をかけたようで、
当時の実習日誌には
「鏡を見て青い顔に驚いた」とあります(笑)。

いよいよ授業開始。

当時の2年生の社会は「ヨーロッパの地理」
について学習していて、
最初の授業は「偏西風」「西岸海洋性気候」
などについてでした。
当時の指導案を見ると「導入・展開・まとめ」各段階で、
問いかけ、予想される反応、OHPの見せ方、
知識の確認など綿密に考えられており、
学習内容を整理する空欄穴埋め式のプリントまで準備しています。

万全の準備で臨み、
テンポ良く授業を展開しました。
自分では学習塾における、
良い反応があった時の授業と同様のことが
できているつもりでしたが、
何故かいつもと勝手が違いました。
思ったより生徒の反応が良くないのです。

1回目の授業を終えた後、
指導教諭の授業を見学しましたが、
明らかに生徒の反応はそちらの授業の方が良いのです。

プロであるとか、普段から信頼関係が形成されているから
という要因もあるでしょうが、
授業そのものを比べた時に、
自分がそんなにひどい授業をしているようには
見えないのですが、何かが違う・・・。

2回目の授業では、「わかった時の素直な反応」などは、
教えている側もとても嬉しくなるほどでしたが、
授業全体を考えると、やはり何かが違うのです。
授業後半になるに従い、
生徒達はとてもつまらなそうな、
苦しそうな反応をし出すのです・・・。

何だ、この違和感は・・・。

授業をしながら必死に考えているうちに、
あることに気付いたのです。

私はとんでもない思い違いをしていました・・・。

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