今回も前回の続きです。
続々々・その2、虫歯の原因 〜「歯質」「細菌」「食べもの」〜
虫歯は「歯質」「細菌」「食べもの」の
3つの要素+時間がからみ合って発生すると言われています。
今回は最も重要な「食事の時間」に焦点を当てたいと思います。
食事をするたびに、歯は脱灰(歯が溶ける初期状態)
と再石灰化(初期虫歯からの再生)を繰り返します。
虫歯が進行しないのは、再石灰化の時間が長いからです。
『虫歯ってなに?(3)』の記事で述べたように、
口の中が酸性に傾くと歯は溶け始めます。
しかし、唾液で汚れは流され、唾液自体はほぼ中性なので、
口の中はだんだんと中性へとなって行きます。
ただし、元の中性に戻るまでに
だいたい40分くらいの時間を必要とします。
その間、歯は脱灰しているわけです。
その後、2時間くらいかけてアルカリ性の口の中で
再石灰化が行われます。
要するに!
きちんと規則正しい生活をしている人の生活は、
「8時に朝ごはん、12時ににお昼ご飯、
3時におやつ、7時にお夕飯」
といった感じで、ものを食べるのに
3時間のインターバルがあります。
なので、再石灰化の時間の方が長いので
虫歯になりにくいのです。
逆に、頻繁に間食をする、
いわゆる「ダラダラ食べ」の傾向のある人は
再石灰化がおいつかずに虫歯になってしまうということなのです。
また、お菓子だけでなく、
ジュースやなどの砂糖の入っている飲み物を飲んでも同じことです。
お口の中が酸性になりますからね。
戸棚におやつが入っていていつでも食べられる、
普段甘いジュース類をよく飲む、こんな環境は危険です。
特に気をつけてもらいたいのが、
ジュースやお砂糖の入った紅茶やコーヒーのペットボトルを
持ち歩いていたり、机の上に置いてある方です!
ペットボトルはいつでもどこでも飲めて便利なのですが
、頻繁に飲んでいると常に口の中が酸性になってしまう
という欠点があります。
この環境だと「ボトルカリエス」といって、
ペットボトル特有の歯を一周取り囲むような
虫歯の発生の仕方をします。
ペットボトルで糖分の入った飲み物を飲む時は
その場で飲みきるか、時間を決めて飲むようにしてください。
また、意外と多いのがお子さんに
ポカリスエットやアクエリアスなどの
スポーツ飲料を持たせて虫歯にさせてしまうことです。
スポーツ飲料は病気の時や脱水症状を起こした時には
とても有効な飲み物です。
しかしながら、スポーツ飲料には
だいたい35グラムほどの砂糖が入っています。
喫茶店においてあるスティックシュガーが1本5グラムですから、
ペットボトル1本で7本ものスティックシュガーを
飲んでいることになります。
こう言われると糖分が多いのが分かりやすいですね。
虫歯の他に、最近では若いお子さんの糖尿病も増えており、
その点でも問題です。
電車などでベビーカーのお子さんに
ペットボトルのスポーツドリンクを飲ませている風景は
一見微笑ましい光景ですが、上記のことを踏まえて見ると、
悲鳴を上げたくなってしまいますよね。
では、おやつやジュースは
食べたり飲んだりしちゃいけないの?
そんなことはまったくありません。
間食は成長に必要な栄養補給の機会でもあります。
「食べたらみがく、約束げんま~ん♪」
この言葉と食べる時間を守れば虫歯の心配はいらないのです。
それではみなさん、今日もよい食事を!
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虫歯ってなに?(3)
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